2012/06/27

Macbook Air で Windows XP を使う場合のライセンス

少々厄介な話になったので少しメモしておく。

Macbook Air や、今回発表になった Macbook Pro Retina ディスプレイモデルでは USB や Thunderbolt といったいくつかのインターフェイスを除いて拡張の余地がない。
たとえばメモリを増設したり、HDD/SSD を交換することが原則的にできなくなっている。


このため、 DSP版の Windows を購入することがほぼ不可能になっている。

本来ホワイトボックスPC向けに用意されている DSP版の Windows は安価な一方、サポートは販売店持ちとなり、かつ特定ハードウェアとの同時購入でそのハードウェアを使用しているコンピュータでの利用のみが許される。


特定のハードウェアは何でも良いという訳ではない。たとえば以下は DOS/V パラダイスのページだが、バンドル対象製品は、CPU、メモリ、HDD、SSD、光学ドライブ、マザーボード、ビデオカード、その帆は拡張カードと言う感じで「本体に組み込まれるもの」が前提となっている。
http://www.dospara.co.jp/5info/share.php?contents=info_win_dsp

USB接続のHDD など、本体を構成しない外付け機器やケースなどは対象外となっている。


これまで、巷で販売されている Windows ライセンス付きの VMware Fusion 製品は、その多くが「DSP版とのバンドル」で、よく見るとメモリなどがセットに含まれている。
ライセンス上は、そのメモリを使用した MacやPCでのみ、その Windows ライセンスは使用できる。


まあもちろん、一々そのメモリ(ないしは他の特定ハードウェア)を搭載しているかを確認する術はないし、確認して販売しているかは微妙、だろう。



しかし、Macbook Air、 Macbook Pro Retina ディスプレイモデルはそもそも拡張の余地がない。「できない」所に販売するのはさすがにできないだろう。


Macbook Air や、今回発表になった Macbook Pro Retina でぃすぷれいもでるといった本体と同時に Windows ライセンスを購入」しない限り、後から仮想環境や BootCamp 用の OSライセンスをDSP版で購入することはできない訳だ。
なお、聞いた限り銀座などの AppleStore では  DSP版の Windows は扱ってないようだ。



じゃあ、大人しくパッケージの Windows を買えばいいかというとこれも厄介な話がある。
なぜなら、パッケージの Windows にはダウングレード権がないからだ。

マイクロソフトの製品は、新バージョンが出ると旧バージョンの販売は終了してしまう。Windows7 が販売されている現在、Windows XP や Vista のパッケージはもう購入できない訳だ。(希に不良在庫がぽろっと出ることはあるが)

Windows7 を使いたい場合はそれでいいが、 仮想環境上で Windows XP を使いたい場合、ダウングレード権のないパッケージの Windows ではその役に立たないのだ。
(DSP版にはダウングレード権が存在する。)


あともう一つの方法はボリュームライセンスでの購入になる。ボリュームライセンスは法人利用を前提としたライセンスだけのまとめ買いシステムだが、別に個人が利用できない訳ではない。利用例は以下ページを参照してほしい
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20090911_314639.html

ボリュームライセンスで販売されるデスクトップ版の Windows は「アップグレード」のみで、フルライセンスは存在しない。つまりコンピュータにアップグレード対象となるOS が入っていないと利用できない。自作PCなどでOSなしで作られたPC にはインストールできない訳だ。

では Mac にも入れれないのでは?と思われるが、実は「アップグレード対象」には OS X も含まれるというのがポイント。これは以下ページに記載されている。

http://www.microsoft.com/ja-jp/licensing/about-licensing/windows7.aspx#tab=4


ボリュームライセンスの利用には最低でも3アイテムの購入が必要なのが少々厄介だが、それは先の impress  のページを見て対応してほしい。


まとめると、後で拡張ができない、DSP版の Windows が買えない Macbook Air や Macbook Pro Retina ディスプレイモデルでは、以下の手段での購入となる

  1. Macbook Air/Pro と同時にDSP版を購入する
  2. ボリュームライセンスの Windows 7 を購入する
  3. ダウングレード権を諦めて Windows 7 を使用する
  4. (開発/テスト/デモ限定)MSDN/Technet を利用する