このパーティションはシステムパーティションと呼ばれており、マイクロソフトのページにその概要が記載されている。
UNIX的な感覚からするとちょっと違和感を感じるかも知れないが、起動時にのみ参照されるこのパーティションが「システムパーティション」であり、いわゆる C:ドライブは「ブートパーティション」と呼ばれている。
このパーティションにはブートローダやその設定などが格納されており、システム保護の観点からドライブ名もつけられず、GUIからは削除できないようになっている。また、BitLocker を使う際にはそのためのモジュールもここに格納される。BitLocker を使う場合、このシステムパーティションの存在は必須と言える。
さて、仮想環境上ではTPMが使えない兼ね合いから BitLocker を使うのは現実的ではない。
(使えなくはない。たとえばこのページを参照。)
Fusion や Workstation で1台2台をセットアップするなら別にどうでもいいが、Horizon View などで何十台何百台と Windows が実行される場合、100MBとはいえ決して馬鹿にできない浪費になるだろう。
では、このシステムパーティションなしのインストールができるのか?というと、これは可能だ。これもまた、マイクロソフトのページに記載されている。
手順としては以下の通り
- Windows7 のメディアで起動
- 最初の画面で SHIFT-F10 を押し、コマンドプロンプトを表示
- diskpart コマンドを起動、1パーティションでパーティションテーブルを作成
- コマンドラインを終了
- インストール時に作成したパーティションを指定
Windows7 のインストーラの画面で SHIFT-F10 を押すと、下図のようにコマンドプロンプトが表示される。
ここで、diskpart コマンドを実行し、先にパーティションを作ってしまうのだ。
その後、exit コマンドを実行し、インストーラに戻り、インストールを継続する。
通常の新規ディスクの場合、インストール先の選択が「ディスク0 未割り当て領域」となっているのだが、すでにパーティションが作成されているのでその代わりに「ディスク0 パーティション1」が選択しに現れる。
あとはインストールを続行する。
結果、下図のように全体で1ドライブとなる。
ここで作成されたシステムパーティションなしの 32bit Windows7 をHorizon View の ViewComposer でリンククローンで展開したが、全く問題なく利用できている。
シンディスクの場合、システムパーティションのほとんどは未使用のため実ディスク領域は割り当てられない、このため、別にあってもなくてもディスク消費に大差はない。しかしシックディスクでフルクローンの場合は、これで1仮想マシンごと100MBが回収できる。決して馬鹿にできない差異になるだろう。
● 64bit Windows7 ではどうなるか?
なお、64bit Windows7 の場合、以下のようになる。
NTFSのシステムパーティションではなく、FAT32の「UEFIシステムパーティション(ESP: EFI System Pertition)」になる。
これは UEFI で定義された領域で、(U)EFI を使用するコンピュータでは必ず作成される。
その代わりに Windowsによるシステムパーティションは作成されない。UEFI システムパーティションがその代わりとなり、BitLocker のモジュールなどが導入されるためだ。
UEFI 周りについては、また別途説明する。