出張が続いたのと、あと VMware Fusion がとある事情から一時的に動かなくなってしまってて更新が遅れてしまった。
さて、VMware View のクライアントソフトウェアが非常に拡充してきたのはご存じだろうか?
詳細は以下にあるので確認して欲しいが、Mac 用のクライアントが新しくなり、また Ubuntu Linux 用の公式クライアントが追加されている。
http://downloads.vmware.com/d/info/desktop_end_user_computing/vmware_view_clients/1_0
実のところ、これまでも Linux 用のクライアントがなかった訳ではない。
ただ、それは Googles Codes にソースコードの形で提供されていた。
http://code.google.com/p/vmware-view-open-client/
クライアントソフトウェア単体として動かすのではなく、Linux ベースのシンクライアント製品に組み込まれるためにこういうソースコード形態での提供がなされていた。
Linux は、今風に言うなら「断片化が激しい」ため、数多のディストリビューションをサポートするには手に余るし、それらを寄せ集めても Windows, Mac ほどの需要はなかったという訳だ。
しかし、ここ数年 Ubuntu Linux は(例のデスクトップ環境のごたごたはあるにせよ) Linux をデスクトップ端末として使う際の定番になっている。何か一つ Linux で ViewClient をサポートするなら、これは順当なところだろう。
また、 iPad 向けのソフトウェアも着実にアップデートされており、Android 用も増えている。
これらは全て PCoIP をサポートしており高精細の画面を効率よく転送することが出来る。
ここまで PCoIP 対応のクライアントソフトウェアが充実すると、VMware View で RDP を使うことはほとんどないだろう。
また今回紹介する以下の話からも、今後はRDPを使わない、PCoIP専門に持っていく方が良いといえる。
さて、前書きが長くなってしまったが本題に入りたい。
● 問題
非 Windows 環境の RDP クライアントで WindowsXP SP3 を実行する仮想マシンに接続した場合、接続先の WindowsXP SP3 がクラッシュすることがある。
● 原因
これは、Windows XP SP3 に含まれる RDPDD.DLL のバグである。
詳細は以下のKB963038 に記載があるので参照して欲しい。
・WindowsXP を実行しているリモートコンピューターへのリモートデスクトップ接続を確立すると、エラーメッセージ:"停止:0x1000008E"
また、以下の Blog にも類似の記載がある。
・リモートデスクトップを利用していてリモート先PCがSTOPエラーでブルースクリーン
・リモートデスクトップでOSが落ちる
確認方法としてはブルースクリーンを見るのが一番であるが、そもそもリモートアクセスしてるのだから vSphereClient でコンソールを見るなど難しいであろう。
事後の検証としては Nirsoft の BlueScreenView というソフトを使うと便利だ。
http://www.nirsoft.net/utils/blue_screen_view.html
これはクラッシュに生成される minidump を確認してくれるというものだ。
以下の図のように、ダンプ時の状況を表示してくれるが、ここで Bug Check Code を見ると確かに 0x1000008E であるのが分かる。
● 対応
ここまで分かれば話は早い。つまりはこの RDPDD.DLL の問題を解決すればいいのだ。
これには三つの手段がある。
- RDPを使わない
- マイクロソフトの 修正プログラム を適用
- RDPDD.DLL を差し替える
二つ目は、先に紹介したマイクロソフトのKBにリンクされている 修正プログラム を適用するというもの。Fix253552 というそれをあてればこの問題は発生しなくなる。
ただし、この修正プログラムは WindowsUpdate でははいってこず、先のKB963038のページの「この技術情報に対応する修正プログラムのダウンロードのリスト」にあるリンクからしか手に入らない上、メールアドレスは取られるわ、CAPTCHA はあるわで少々面倒だ。
三つ目は、先ほどリンクしたブログにあるように、WindowsXP SP2 の RDPDD.DLL に置き換えてしまうことで問題が消えるというもの。実際に消えるのは確認したが無理矢理DLLを置き換えるのもあまりよろしくないし、なにより他の問題を引き起こさないかが未知数だ。
だったら、2つめの修正プログラムをあてた方がまだいいだろう。
あと、この問題は WindowsXP SP3 でしか発生しない。つまり Windows7 ならば問題はないのだ。仮想デスクトップも Windows7 にしてしまうというのも解法としてはアリだろう。