Windows の場合は 「%ProgramFiles%\VMware\VMware Tools」 以下に以下のバッチファイルがあるのが見てとれるだろう。このバッチファイルが、それぞれのタイミングで実行されるスクリプトだ。
- poweron-vm-default.bat
- poweroff-vm-default.bat
- resume-vm-default.bat
- suspend-vm-default.bat
なお、Linux, FreeBSD, Solaris などUNIX系のOSの場合、/etc/vmware-tools 以下に同等のファイルが存在する。
OS X をゲストOSとして動かしている場合は、/Library/Application Support/VMware Tools/ 以下だ。
これらのスクリプトを編集することでOSの起動直後や終了前に様々な処理を追加する事ができる。特に View のデスクトップVMなどでは、終了前に ipconfig /flushdns, ipconfig /release をかけておきたいものだが、この機能を使えば簡単に実現できる。
ただ、特に Windows 版では、上記のスクリプトはインストール時に少々きつめの制限がかかってて、編集に苦労する。また resume と suspend については、実は空ではなく VMware 社自身の処理が入っていたりもする。念のために残しておきたいものだ。
そこで、デフォルトのスクリプトを編集するのではなく、スクリプトを別途作成、デフォルトのスクリプトに代わって VMwareTools に実行させる。これがカスタムスクリプトだ。
Fusion 4.0 や vSphere 5.0 までの VMware Tools では、GUIからカスタムスクリプトを指定することができた。
Fusion 4.0 までのタスクトレイのメニュー |
VMware Tools を開くを選ぶと、各種設定が可能 |
しかし、Fusion 5 や vSphere 5.1 ないしそれ以降の VMware Tools ではこのUIがなくなってしまっている。
Fusion 5.0 ないしそれ以降のタスクトレイのメニュー |
VMware Tools についてを選んでも情報が見えるだけだ |
では、カスタムスクリプトを指定するにはどうすればいいかというと、GUIではなくコマンドラインからになる。VMwareToolboxCmd というコマンドが増えており、これをつかうのだ。
(Linux/FreeBSD/Solaris は /usr/bin/vmware-toolbox-cmd 、OS X は何故か /Library/Application Support/VMware Tools/vmware-toolbox-cli とコマンド名からして他のUNIX系と異なる)
Windows 版ではこのコマンドは VMware Tools のインストールディレクトリにある。
ただ、何故かこのディレクトリをカレントディレクトリにして使うことを前提としている節があるので、まず cd しておいたほうがいいだろう。
使い方は、「VMwareToolboxCmd help」を実行すると表示される
現在のシャットダウン時に実行するスクリプトのパスを表示するには「VMware Tools script shutdown current」で表示される
シャットダウン時のカスタムスクリプトを設定するには「VMware Tools script shutdown set "フルパス"」で指定する。相対パスは使えないので注意だ。
なんでこんなことをいまさら書いているかというと、カスタムスクリプトを仕掛けておいた vSphere 4.x 時代の仮想マシン(テンプレート)をずっと使っていたのだが、新しく作った仮想マシンでも同じくカスタムスクリプトをしかけようとして、見てみたら VMwareTools の GUI が無くなっており、設定ができなくなって焦ったから、だったりする。