さて、前回も話したように VMware Fusion 8.0 ではこれまでも接続できた ESXi や vCenterServer, VMware Workstation のサーバモードに加えて、vCloud Air へも接続できるようになった。
vCloud Air についてはこちらの一連の記事を読んでいただくとして、Fusion 8.0 での接続についてのみ見ていこう。
Fusion を起動し仮想マシンのライブラリをみると、左側の一覧に「VMWARE VCLOUD AIR」という項目ができているのに気がつく。これをクリックすると、ユーザ名とパスワードを入力する欄が表示される。
Fusion 8 の 仮想マシンのライブラリ画面 |
認証に成功すると、左側に契約している仮想データセンター(VDC)が表示される。共有型クラウド(Virtual Private Cloud)ならば一つ、占有型クラウド(Dedicated Cloud) なら作成したVDCの数だけ表示される。また、日本以外のリージョンの契約している場合は、権限のあるリージョンのVDCもあわせて表示される。
vCloud Air に接続。VDCと仮想マシンの一覧が追加される |
vCloud Air on Demand の場合、アカウント作成時に作成したVDCが表示される。通常は一つだが、複数のリージョンで作成していれば複数になる。
VDCを選択すると、そのVDCに配置されている仮想マシンが表示される。仮想マシンを選択すると、ローカルの仮想マシンと同じく画面のサムネイルが表示される。
ここから、仮想マシンを起動/終了、リセット、サスペンドさせることができる。
vCloud Air の仮想マシンを選択している場合 メニューの1行目は「仮想マシン」としか表示されず、 サスペンド、リセット、パワーオンかパワーオフを選択 |
ローカルの仮想マシンを選択している場合 Linux/Windows/MacOSなどOS種類が表示される 再起動、シャットダウンと安全な手法を選択 |
VMware Tools を入れていても、シャットダウンや(安全な)再起動は選択肢に出てこないので注意だ。
別ウィンドウでコンソール画面を開くことができる。
仮想マシンのコンソール画面、割ときびきびしている |
(vCloud AirのWebUIの仮想コンソール、あるいは FLEXの vCloud Director 画面の仮想コンソールはどちらもあまり応答速度が良くない。)
ローカルの仮想マシンを VDCのアイコンにドロップすると仮想マシンをアップロードすることができる。
仮想マシンのアップロード画面 |
これは内部的には OVFでの出力と、ovftool を使った転送をおこなっていると見受けられる。なお、逆に vCloud Air の仮想マシンのアイコンをローカルの仮想マシンのフォルダにドロップしてもダウンロードは発生しない。どうしてもと言う場合は、アプリの中に格納され居てる ovftool を使うことになるだろう。
仮想マシンの起動、終了、リセット、スナップショット(vCloud Airでは1段のみ)、仮想コンソールの利用、そしてアップロードでできることは一通りのようだ。
一見仮想マシンの構成変更ができるようにも見えるが、現時点ではディム表示で選択ができない。今後のアップデートに期待、と言うことだろう。
仮想マシンの設定。一般は名前などを表示するのみ、後の設定は選択できない |
また仮想ネットワークの構成変更などの基盤環境の構成や、vCloud Air 側テンプレートからの新規仮想マシンの作成はできない。Mac側の仮想ネットワーク(NAT)と vCloud Air 側 EdgeGateway とでVPN接続ができたら面白いのだが、そこも用意されていない。
(IPsec/L2TPのため、Mac のVPNクライアント機能で接続できるかも知れないが、未検証)
あくまで、Macでの仮想マシンの実行の補助的なもので、vCloud Air との連携を主力にしてというものではなさそうだ。
vCloud Air の WebUI は、HTML5としては割と良くできてるがしかし仮想マシンの管理には少々不便なところがある。せっかくのローカルアプリケーションなのでこちらに管理能力をもたせれば使い勝手はあがるのだが、どうもそこまでやるつもりはないようだ。
ただ、割り切って使えばこれはこれで面白い。MacBook Air や今度の MacBook のように、仮想マシンを多数動かすことが性能やコンセプト的に厳しい Mac で、リモートの仮想マシンをローカルの仮想マシンと同じように扱えるのは何かと便利だろう。