これは VCB時代のドキュメントの仮想マシンバックアップガイド(PDF) の P.44 に記載がある。VCBによるバックアップ開始時に %WINDIR%\pre-freeze-script.bat が実行され、終了時に %WINDIR%\post-thaw-script.bat が実行される。
ただ、当時試したところ動いている様子がなく気になっていたのだが、その時は急ぎ確認する理由もなかったのでそのままにしておいた。
そして、先日 カスタム静止スクリプトについて調べる機会ができたので少々確認をしてみた。
ご存じの通り、VCB のサポートは vSphere 4 までで終了し、現在では VADP (vStorage API for Data Protection) が利用されている。VCBはコマンドベースの技術でバックアップソフトからVCBのコマンド(vcbMounter.exe)を呼び出して連携をとっていたが、VADPはライブラリで提供され、バックアップソフトはこのライブラリのAPIをコールする事で連携をとっており、より密接な制御が可能となった。
さて、では VADPでカスタム静止スクリプトがあるかというと、まだ存在する。これについては、KB1006671が詳しい。
ESX/ESXi のバージョン | カスタム静止スクリプトのパス |
3.5U1 とそれ以前 |
%WINDIR%\pre-freeze-script.bat
%WINDIR%\post-thaw-script.bat |
3.5U2 とそれ以降 |
C:\Program Files\VMware\VMware Tools\backupScripts.d\
|
4.x | %WINDIR$\backupScripts.d\ |
5.0 |
両方の場所を確認する
|
5.1, 5.5 |
%WINDIR%\pre-freeze-script.bat
%WINDIR%\post-thaw-script.bat |
なお、backupScripts.d フォルダはデフォルトでは作成されていないので、利用する場合は自分で作成する必要がある。backupScripts.d フォルダ以下にあるバッチファイルなどが全て実行されるが、その順序はバックアップ作成時はアルファベットの昇順(A-Z)で、終了時は降順(Z-A)となる。
Windows XP では 3.5U2 以降で実行していても旧来の pre-freez-script.bat 等が使われるようだ。
見ての通り、実は ESX/ESXi 3.5U2 以降でパスが変わっているのだ。これで当時うまく動かなかった理由が判明した。
私が VMware Infrastructure 3.5 を使い出したのは U2 の頃からで、それ以前は 3.0.3 を中心に 3.5 は様子見をしていたからだ。
なお、Linux など Windows 以外のOSの場合は、/usr/sbin/pre-freeze-script, /usr/sbin/post-thaw-script が実行されるようだ。これについては VMware DataRecovery 管理ガイドの P.8〜9 あたりに記載がある
追記: VCB サポートは vSphere 4.0 までではなく 4.1 までだったので訂正。そういえば 4.1 も VCB1.5u2 でサポートされていたのでした。
追記:20150106, 気がついたら対応表が変わってたのでこちらも更新